山本英孝著 『サルも気を遣う:ワークスタイルの進化心理学』

進化心理学を、ビジネスの場面とのアナロジーを散りばめながら解説する。著者の長年にわたる新事業開発の仕事から得た洞察と、進化論、技術進化論、経済学なども含む50数冊の関連書から得たエッセンスをこの1冊にまとめた。

ハイブリッドカーは、ガソリンエンジンと電気モータという2つのエンジンを使って走る。人間も遺伝子というエンジンと、人間社会が作った文化というエンジンの2つによって動いているハイブリッドカーである。生物として、危険から身を守り、食べ物を手に入れ、生殖の相手を見つけて子孫を増やし、生きぬいていく戦略は何百万年もかけて進化し、遺伝子に記録されて受けつがれている。これが、遺伝子エンジンである。一方で、我々の社会では、このような遺伝子エンジンのクラッチを切って、規則を守る、職業技術を学ぶ、組織の風土に合わせる、教養を身につけるという文化エンジンによって動いた方がうまく生きることができる。

しかし、食欲やセックスをはじめとして、遺伝子エンジンのクラッチは切っても、直ぐにつながってしまう。「社会の発展のために尽くそう」と指示する文化エンジンと、「その前に自分のことを考えろ」と言ってくる遺伝子エンジンのギアがかみ合わないこともある。遺伝子エンジンが我々の心にどのようなドライブをかけているのか、遺伝子エンジンの特性を少しでも理解していた方が、うまく運転ができるにちがいない。本書を読むことによって、ビジネスの場面、特に新事業に携わる場面での我々の行動のパターンについて、進化心理学の観点から深い理解が得られるものと期待する。

内容目次

  • グルーミング: 根回し、気遣いの理由
  • 脳の設計: 機械の設計との違い
  • 顔の認識の遺伝子: 人の顔色をうかがう苦労
  • サバンナ仮説: ゴルフが好きな理由
  • 言語の遺伝子: 英語のプレッシャに耐える
  • 辺縁系: 心配、懸念、不安、危惧の源
  • 現実をスイッチさせる遺伝子: ストーリ好きの世界
  • 利他的行動の遺伝子: チームワークの源
  • 免疫系: 新事態への心構え
  • 食べ物を獲得する遺伝子: ワークスタイルへの適応
  • マイオピア: 環境問題に真剣にならない理由
  • 共鳴系: 周囲からもらうエネルギー
  • 雌雄の駆け引き: 直ぐにやらない理由
  • 花と人間: どちらが主役か
  • グループの淘汰: 企業風土のミーム

正誤表

頁  行
  8  13   glooming → grooming
 24  11   と意味である → という意味である
 45   7   ととえば→ たとえば
 49  12   のだは → のだが  
 71   9   があげ → をあげ
 75   2   以上にように → 以上のように
105   3   研究者が → 研究者に
115   3   いまない → いかない
127  10   歴史学者 → 歴史学者の叔父さんの  
144   5   先のの → 先の
144  10   新事業というは → 新事業というものは
169  12   周囲か → 周囲が
194   5   かけるのもしれない → かけるのかもしれない
204   1   美を健康 → 美と健康
209   3   というとになる → ということになる
211  13   ドングリが → ドングリを
216  10   適応性は → 適応性を


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